先生か、教員か。

私と教務部長の遠田は、大学の教職課程のゼミで出会いました。
その当時のお話、創業までのストーリーは、次回以降に譲るとして…

今回はそのゼミの最後の授業で扱ったテーマから、お話を広げていこうと思います。

最後の授業

マニアックな話ですが、教員になるには教員養成系の学部に入るか、一般の学部に籍を置きながら大学に設置されている教員養成課程を学部の授業と並行して修めるかの2種類があります。

私は経営学部でしたので、後者にあたります。

教員養成系の学部では、教員免許を取るための授業も卒業単位にカウントされるのですが、私のような他学部から教員を目指すと通常の大学生の1.5倍ほどの単位を取る必要があります。
要するに、授業の数が1.5倍ほどになるということです。

私はこの制度のおかげで、経営学部のゼミと教職課程のゼミ、2つのゼミに所属することになりました。
この「ゼミ」というのは、十数人ほどの少単位で行う授業です。
大学では、200~300人が大きな教室で一斉に受ける授業と、こうした少人数で受ける授業が混在しています。このゼミでの学びは、大人数での講義で学習した内容をさらに深めて、専門性をさらに高めるための時間です。

私と遠田は、この教職課程の「ゼミ」が同じでした。

そのゼミの最後の授業のテーマ…
それは「学校の先生は、教員か、教師か?」というものでした。

教員と教師って、何が違うのか?

教員も教師も、英語にすればどちらもTeacherです。
ですが、日本語にすると、ちょっとしたニュアンスの違いはありませんか?

教師のほうが、どこか熱量を感じるような…
教員のほうが、どこか現代的で、チームで動いている感じがあるような…

ゼミの担当教授は、まさにこのニュアンスの違いを考えさせたかったそうです。
現場に熱量が足りない時代には、教師が必要で、現場にチームワーク・組織力が足りない時代には、教員が必要だと。

なんだか深いんだか深くないんだかわからない授業ですが、私には別の意味で強く響きました。

先生ガチャ

実は、私が大学の教職課程で専攻したのは、「教育の公平性」というテーマでした。
公教育は、子どもの生まれや育ちに関わらず子どもたちの可能性を伸ばすことができる「格差是正」の役割の一翼を担っているはず。

しかしながら、先生という仕事は、属人化が非常に強い仕事です。
当時の私には、せっかくの「格差是正」の機会が、どの先生に当たるかの運次第…
いまどきの言葉にするなら、「先生ガチャ」だと感じられていました。

その「先生ガチャ」で人生が好転する人も、悪い方向に進んでしまう人もいるはずです。
でも、公教育には、本来「先生ガチャ」はあってはいけないはずですよね。

私個人のイメージでは、属人化された先生(カリスマ)=教師という感じです。

トヨタにカリスマはいない

さて、最初の話に戻りましょう。
私は、教職課程に身を置きながら、経営学部に所属していたので、学部の授業では企業経営やマーケティングなどを学んでいました。

そんな中、特に興味を持った会社が、「トヨタ自動車」です。

トヨタでは、人の仕事を機械に置き換える、「自働化」という概念があります。
それは、単なる機械化ではなく、個人に責任を求める体制から、組織が継続的に成果をあげていく仕組みを作って脱却することです。

だからこそ、トヨタにカリスマはいらないと言われるのです。
トヨタは、いつ、誰がトップになっても、トヨタは変わらず日本を代表する会社であり続けていますよね。

本当は、公立学校こそ、こうでなければいけません。
転勤もあって、様々な校風、生徒にふれる公立校の先生たちにこそ、実は組織として成果を上げる仕組みづくりが必要だと強く思います。

だから私は、先生=組織人=教員であるべきだ、と考えています。

さん付け呼称

NEXTでは、職員間の呼称は「〇〇さん」です。
それは、先生という感覚を少しでも捨てるため

先生と聞くと、医師、弁護士…など偉いイメージがありますよね。
でも、それではいけない。
私たちは、属人化した教育現場を作りたくありません。

なぜなら、特定のカリスマ教師に当たった生徒は幸せで、あとはハズレ…というのはあまりに無責任だと思っているからです。
全ての先生が当たり!と自身を持って言える学び舎を作りたい。

そのためには、一人のカリスマ性に頼るのではなく、仕組みが優れていて、その仕組みの中でそれぞれが専門性を発揮する職場が大切だと考えています。

部門評価と個人評価

この他の取り組みとして、NEXTでは奇数月に内部監査を行っています。
それぞれの部門の責任者が、輪番で相互に部門評価をつけたり、部門内の個人の評価をつけてフィードバックをします。

ついつい自分のやり方でやりたくなってしまうのが、教育です。
だからこそ、みんなで実践を通して学んだノウハウをしっかり蓄積させ、誰でもいつでも理想の教育を再現し、実践していくためには、相互に評価し、評価される、風通しのよい環境が重要です。

この評価制度があることで、NEXTのサービス品質を一定に保つことができています。

授業は私たちの生命線です。
しかし、理想の授業を実現するためには、授業以外への様々なこだわりも必要です。
また機会がありましたら、他の取り組みもご紹介したいと思います。

教育・子育て分野の一流企業を目指して、これからも頑張ります!


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