「一生懸命勉強しているのに、なかなか覚えられない」
そんな声を、生徒さんからも保護者の方からもよく聞きます。
実は、記憶には正しいやり方があります。
努力の量だけではなく、脳の仕組みにあった方法で学ぶことが成果を左右するのです。
今回は、米国内科医・安川康介先生著「科学的根拠に基づく最高の勉強法」より、科学的に効果が高い記憶法をご紹介します。
特に、受験やテスト勉強で「暗記が苦手」と感じる方にぜひ知ってほしい内容です。
勉強の基本はリトリーバルとインターバル
まず覚えておきたいのが、科学的に効果が実証されている2つの学習法です。
これは以前もブログで取り上げているので、ぜひチェックしてください!
リトリーバルとインターバル。この2つは脳科学でも「最も再現性が高い勉強法」として知られています。
つまり、思い出す+時間をおいて繰り返すが学習の王道です。
イメージで覚える「記憶術」の力
それでも年号・英単語・専門用語など、どうしても覚えにくいものはあります。
その時に役立つのが、記憶術(イメージ記憶法)です。
人間の脳は、ものもと「言葉」よりも「映像」や「場所」を覚えることが得意なのです。
記憶術とは文字情報をイメージに変換して覚えやすくする方法。古代ギリシャの時代から使われてきた、人間本来の「頭の使い方」です!
実践!ストーリー法で覚える
この本では安川先生自身が実践しているストーリー法をご紹介します。
ストーリー法とは、覚えたい単語を一つの物語にしてつなげて記憶する方法です。
現実ではありえないような、少し笑える・奇妙な・強いイメージほど効果的だそうです。
実例:ポーツマス条約をストーリーで覚える
普通なら
ポーツマス条約(1905年)は日本とロシアの間で結ばれた日露戦争の講和条約。アメリカのニューハンプシャー州のポーツマスで、当時外務大臣だった小村寿太郎とロシアの元蔵相セルゲイ・ヴィッテとの間で調印された。
と丸暗記しようとしますが、記憶術ではこう変換します👇
一休さんと、ルーズソックスを履いた小村寿太郎が、お菓子の Bitteを食べながら、レゴで遊んでいるシーンを想像。
このワンシーンの中に、
・一休さん、レゴ→年号:1905年
・ルーズソックス→ルーズベルト大統領
・Bitte→セルゲイ・ヴィッテ
が全て含まれています。
頭の中でこの情景を何度か思い出すことで「数字・人名・出来事」が一気に結びついて定着します。
応用:場所法
もう一つ強力な方法が場所法(ロキ法)です。
これは自分がよく知っている空間(自宅・通学路・学校)などに覚えたい情報を順番に配置していく方法です。
例えば、玄関に英単語、リビングに公式、階段に年号…といった具合。頭の中でその場所を歩くと。情報を順番に思い出すことができます。
実際、世界記憶力選手権のチャンピオンたちもこの方法を使っています。
MRI研究では、空間記憶を司る脳の領域が活性化していることも確認されています。
科学的な評価と使い方のコツ
研究によると、記憶術には一定のトレーニングが必要ですが、使いこなせればリトリーバルを支える強力なツールになります!
ポイントは、「覚える内容すべてに使おうとしない」ことです。
機械的に覚えにくいものに限定して活用するのがコツです!
まとめ
勉強な得意な人は、特別な才能があるわけではありません。脳の仕組みを理解し、それにあった方法で学んでいるだけです。
保護者の方は、ぜひ「覚えられない=努力不足」と決めつけず、「どうやって覚えるか」を一緒に考えてあげてください!
生徒の皆さんも、自分の脳が覚えやすい方法を知ることが勉強の楽しさを変える第一歩になります。
ぜひ参考にしてみてください。