「あの先生、ムカつく」…その言葉にどう反応しますか?
ある日、子どもが学校から帰ってきてこう言いました。
「今日、先生に理不尽なこと言われた!」
「ぜんぜん話を聞いてくれなかった」
「○○には優しいのに、自分には厳しい」
親としては心がざわつきますよね。
「何それ、ひどいじゃない」「ちゃんと見てくれてないんじゃない?」
つい、子どもの味方になってあげたくなる気持ち、よくわかります。
でも、ちょっとだけ待ってみませんか?
“先生=敵”という思い込みが、子どもを孤立させることも
子どもが学校の先生を「敵」だと感じ始めると、
学校全体が“自分にとっての居場所ではない”という印象になってしまうことがあります。
これはとても危険なことです。
一度「学校=敵」モードになると、
先生の何気ない言葉も「否定された」と受け取ってしまったり、
「どうせ自分のことなんて分かってもらえない」とシャットアウトするようになったりします。
本当に“先生が悪い”のか? 一緒に整理する時間を
大切なのは、感情の“裏側”を一緒に見つめてあげることです。
例えば、こんな声かけが有効です:
- 「それは嫌だったね。どんな風に言われたの?」
- 「他にもそう感じてる子、いたのかな?」
- 「先生は、どんな意図だったと思う?」
こうしたやりとりの中で、子ども自身が感情を整理し、
相手の立場を想像できるようになります。
もちろん、先生側にも配慮や説明不足があることはあります。
でも、それを親が決めつけてしまうと、
「先生が悪いんだから、自分は変わらなくていい」という思考になり、
成長の機会を逃すことにもつながってしまいます。
親が“中立”な立場をとることが、実は最強の味方
親が一緒になって先生を批判してしまうと、
一時的には子どもが「わかってもらえた」と安心するかもしれません。
でもその安心は、「敵が増えた」ことによる安心です。
敵の数を増やしても、本当の意味での安心や自信は育ちません。
だからこそ、親はあえて“中立”のスタンスをとることが大切です。
味方にはなっても、共犯者にはならない。
これは、信頼できる親子関係を築くための大きなヒントです。
もし本当に先生との関係がうまくいっていないなら…
もちろん、すべてを子どもや家庭だけで背負う必要はありません。
- 学校の担任以外の先生に相談する
- カウンセラーやスクールソーシャルワーカーの力を借りる
- 塾など、学校外の安心できる大人に話す
NEXTでは、学校での悩みも一緒に整理し、必要があれば保護者と情報共有したり、
「自分のままでいい」「ここでは安心して話していい」という時間を提供しています。
学校では言えないことも、塾の先生には言える。
そんな“第三の場所”があることが、子どもにとって大きな支えになります。
親のスタンスが、子どもの世界の広がりを左右する
学校生活の中で、すべての先生と相性が良いわけではありません。
でも、「合わない=逃げる」「敵だ=戦う」だけでは、社会に出てから困ってしまいます。
だからこそ、こんなスタンスを子どもに見せてみませんか?
「どんな先生でも、学べることはあるかも」
「先生だって、完璧じゃない。大人だってミスするんだよ」
「学校の中に全部の答えがなくても、他の場所でサポートできるよ」
親がそう考えていると、子どもも少しずつ視野を広げていけます。
子どもが「学校がつらい」「先生が苦手」と言ったとき、
親は“感情の味方”にはなっても、“判断の代行者”にならない。
このバランスが、「生きる力」につながっていくはずです。