こんにちは。北キャンパスマネージャーの西田です!
今回は、講師になってから、生徒たちに言われた言葉ナンバーワンの質問「理科って将来使わなくないですか?」についてお答えしようと思います。
自分の身を守るための理科
私がいつもこの質問をされたときは「自分の身を守るため!亡くなる確率を減らすため!」と答えています。
みなさん、こんなニュースは聞いたことないでしょうか。
①柑橘類の皮と塩素系洗剤を一緒に使ってお風呂掃除をし、呼吸困難になってしまう
②大雪でマフラーが雪に埋もれていることに気付かずにエンジンをかけ、一酸化炭素中毒になってしまう
などなど…理科を学習しているとこれらの事故を防げるのです!
①柑橘類の皮と塩素系洗剤を一緒に使ってお風呂掃除をし、呼吸困難になってしまう
そもそも、なぜ呼吸困難になってしまったのでしょうか。
よく混ぜるな危険という文字を見ませんか?あれは塩素系の洗剤と酸性タイプの洗剤が反応すると有毒な塩素ガスが発生してしまうため、表記されているのです。
塩素ガスとは、かつて第一次世界大戦で化学兵器として利用された程の猛毒ガスで、間違って吸い込むと目・皮膚・気道の粘膜を強く刺激し、肺に侵入すると呼吸困難になり最悪の場合死に至るのです。
この事件は酸性タイプの洗剤ではないですが、酸性の強い柑橘類と塩素系洗剤が反応してしまったのです。
レモンに代表されるような柑橘類が酸性ということは中学校3年生でも学習します。
知っていたら防ぐことができましたね。
②大雪でマフラーが雪に埋もれていることに気付かずにエンジンをかけ、一酸化炭素中毒になってしまう
一酸化炭素を吸うと酸素が全身に回らず、酸欠の状態になります。
軽度の症状であれば疲労感・頭痛・吐き気・視力障害などで済みますが、重度の症状になると痙攣・意識障害・昏睡状態に陥ることもあります。このように一酸化炭素を吸い込んだ影響で何らかの症状が出ることを一酸化炭素中毒というのです。
車のエンジンから排出される排気ガスには、一酸化炭素が含まれています。
車が立ち往生した際、排気口が雪で埋もれてしまうと、排気ガスが床下などにたまり、ボディの隙間や外気導入口などから車室内に入り込む可能性が高まります。そのため、大雪によって立ち往生した際は、一酸化炭素中毒を引き起こすリスクが非常に高くなるのです!
今紹介したものの他にも理科を学習することで防ぐことのできる事故はたくさんあります。
地震や天気のメカニズムを学習しておくと、どんな場所に避難すればいいのか・台風が来る前にどんな準備をすればいいのかを予測することができますよね。
自分の身を守るためだけではなく、もちろん、私たちが便利な生活を送ることができているのも、理科で習う様々な知識が活かされているからです。
アイアンマンから学ぶ理科
皆さんは「アイアンマン」という映画を見たことがありますか?
アイアンマンは戦うシーンの中で、科学の知識を使うシーンがあるんです。
そこで「アイアンマン3」より、トニー・スタークがアイアンマンスーツに頼らず、科学の知識を使って敵を倒したシーンをご紹介したいと思います!倒し方はとても簡単です。
①電子レンジに金属を入れ、電源を入れる
②ガス栓を開ける
③爆発し、相手を吹き飛ばす
爆発した原理、みなさんはわかりますか…?
電子レンジにアルミホイルを入れて温めたら火花が散った、という経験をされた方は多いと思います(西田は一度やってしまったことがあります)。
金属の中には、電子が多く存在しており、電子レンジの電磁波に当たると、激しく運動した電子が空中に飛び出したり、壁やドアの金属に移ったりします。このときに起こるのが放電です。火花が散るという形で外から見てわかることもあります。場合によっては火災が発生します。
火災が発生したときにガスを流したら……大爆発が起こりますよね。
滅多にお披露目する機会はないと思いますが、敵と戦うときにも理科が役に立つんですね(笑)。
「なぜ?」を増やそう
日常生活には理科がたくさん溢れています!
・温かいものから湯気がでるのはなぜ?
・コップの周りに水滴がつくのはなぜ?
・水の中で手を叩いても音がしないのはなぜ?
・静電気が起こるのはなぜ?
・氷が水に浮くのはなぜ?
これらは全て小学校・中学校の理科を学習すれば説明することができます!
日頃から「なぜ?」と疑問を持ちながら過ごしてみると、勉強の楽しさを感じられますよ!