子どものうちに、何を伸ばす?‐NEXT代表・竹林の教育観

子どものうちに、お子さんのどんな力を伸ばしたいですか?

こんな質問があったら、みなさんはどう答えるでしょうか?
いい学校に入れるだけの学力?
グローバルな社会を生き抜ける英語力?
タフに、そして健康に日々を送るための体力やスポーツ能力?
生活を豊かにしてくれる教養?

答えは、親の数、そして子どもの数だけあると言っても過言ではないと思います。

今日は、NEXT代表の竹林の教育観をご紹介しつつ、この質問に対する答えを皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

社会はサバンナと同じだ

サバンナでは、多種多様な動物たちが、自分たちの種を保存するために必死で生き抜いています。
そこには、過酷な生存競争を生き抜くために、足の速さに長けた動物もいれば、他の生き物が届かない場所に生えた葉や実を手に入れるために鼻や首を伸ばした動物もいます。
一人で生き抜くことは難しくても、仲間との協力プレーで、頭を使って生き延びる動物もいます。

本当におもしろいですよね。それぞれが、自分の強みを活かして生き抜いているのです。

でも、人間も同じです。

それぞれが生活を維持するために、仕事をして、家族を養っています。
みんな同じ物差しで勝負をするのではなく、自分の得意分野を活かして仕事をしています。

人間社会では、誰かの得意が、誰かの不得意を補い合って、トータルでバランスが取れています。

みんなそれぞれ、得意や不得意はあって当然!
自分の得意なフィールドで生きていけばいいだけの話なのですが、それはどうやら人間社会では簡単なこととは言えないようです。

自分の存在価値は?

こちらのデータは、内閣府が実施した満13~29歳の若者を対象とした意識調査のデータです。
「自分自身に満足している」という人は日本人全体で45.8%
また、「自分には長所がある」と答えた人も68.9%と7割に届かない結果で、いずれも欧米の先進国よりもかなり低い数値です。

ライフネットジャーナルオンライン(https://media.lifenet-seimei.co.jp/2019/07/05/17662/)より

私は、子どもたちが勉強する意味も、習い事をする意味も、ここに帰結すると思っています。
勉強や習い事を通して、得意をつくったり、自信を持つことで、子どもたちは自己の成長とともに、自分に満足感や有用感(他者から必要にされていると感じること)を感じることができるのです。

年間2万人が自殺する日本はおかしい

2022年の1年間で、日本で自殺で亡くなった方は21,881名にものぼるそうです。
これは、東日本大震災の死者数22,318名に迫る人数です。
やっぱりこの数っておかしいと思います。

私は絶対に関わる生徒のみんなをそうさせたくないし、困難も誰かの力や支え、努力によって乗り越えられるようにしてあげたいと思っています。

自分に自信や、有用感があれば自ら命を絶つことはないはずです。
それに、サバンナで必死で生き抜く動物たちが、自ら命を絶つことはありません。

絶対に誰しも役割があるし、得意がある。
そのことに気づいてもらい、その役割の中で果たせる行動のレベルや質を高めていくのが学齢期だと思うのです。

子どもたちに伸ばしてほしい”セルフエスティーム”

セルフエスティームという言葉をご存知でしょうか?

セルフエスティームとは、自己肯定感、自尊心、自尊感情、自己評価、自己有用自己重要など様々な日本語訳がありますが、いずれも自己をポジティブに捉えるという意味の言葉があてられています。

私は、このセルフエスティームが何より子どもたちには重要だと思っています。

もしセルフエスティームが高ければ、たとえ失敗しても次はできる!と前向きでいられます。
自分はひとりじゃない、誰かに必要とされているし、誰かの役に立つこともできる!
そうした感覚を持てることは、困難な時代をたくましく生き抜くエネルギーになるはずです。

「勉強」そのものが「教材」

先日、ある生徒さんに、英語の授業で英単語を書いて練習するように指導したときのこと…
「こんなにたくさん英単語をやるんですか〜?めっちゃしんどいです…」
と話してくれました。

もちろん、英語という教科を学ぶ上で、英単語は非常に重要なのは言うまでもありませんが…

ちょっと伝え方を変えて、私は自分の仕事の経験を話してみました。

仕事で何時間もかけて作った超大作の資料!
やっと完成!
…あれ、なんかずっとぐるぐる回ってるぞ…
ん?え?あれ?データが…
データがないっ!!


こんな経験、ありませんか?

私は人生で少なく見積もっても4〜5回はあります。
※その度に、「こまめな保存が自分を救う」という名言を胸に刻んでいますが、なかなか自分の行動の傾向は変わらないものです…

もし、自分がマイナス志向だったら、立ち直れないだろう…という量のものもありました(笑)
ですが、私はこういうとき、最初は5時間かかったけど、次は3時間でできるぞ〜♪なんて、半ばヤケクソになりながら前向きに取り組めます(笑)

前職時代から給料半減、体重10kg減…起業という壮絶なライフイベントを経験した私は、もう多少のことでは凹みません(笑)

こんなとき、面倒だけど前向きに捉えてやり直すことも大事だよね(笑)と、生徒さんに話したら、
「それはやばいですね〜」と笑っていました。

半分笑い話ですが、半分本気です。
勉強は、それ自体にももちろん意味がありますが、私は勉強の中身以上に、勉強を通じて得られる様々な経験に価値があると思います。

勉強を通じて得られた、前向きに努力する力、ポジティブになれる力、計画を立てる力、逃げずに立ち向かう力、結果が出る楽しさ、結果が出ない悔しさ、勉強や部活で得られた自信、勉強そのものの面白さ、ストレスを発散する方法…これ全部宝ものです。

私たち親の関わり方も点検を

ですから、保護者の皆様には、子どもたちがセルフエスティームを高められる(=自分自身をポジティブに捉えられる)ような関わりや機会づくりにとにかく力を注いでいただきたいです。

どうしてできないの?
何度言えばわかるの?
ダメじゃない!
こうした声かけから得られるのは、「自分ってダメなヤツかも…」という自己評価です。
これでは、せっかく大切に育てたいセルフエスティームが伸びません。

子どもたちのために、まずは親である私たちが見直さなければなりません。


私は、前職で教員をしていたのですが…
教師を志していたときに知った、アインシュタインの名言をご紹介して終わりにしたいと思います。

教育とは学校で学んだことをすべて忘れた後に残るものである

アルベルト・アインシュタイン
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