第4講 承認

はじめに

前回は、コーチングの3大スキルの1つ、「傾聴」について扱いました。
個人的には、できているつもりでも、実際は一番難しかったりするのが「傾聴」だと思っています。

そして今日は、3大スキルの2つ目「承認」についてです。「承認」が上手にできれば、子どもたちのやる気を引き出し、自己肯定感を育むことができますよ。
それでは早速学んでいきましょう!

承認(アクノレッジ)

「承認」とは、相手のいいところを見て、それを言葉にして伝えることをいいます。「承認」は大きく次の3つに分けることができます。

  • 結果承認…何かをした、結果を出したことに対してほめること
    すでに成果が出ているため、「ほめる」アプローチがなされやすい
    例)時間通り出来たね!100点すごいね!
  • 行為承認…結果がよくなかった、あるいはまだ結果が出ていない場合でも、それまでの望ましい行為に対してなされる承認
    例)きれいにノートを取っているね、お掃除頑張っているね、たくさん練習するようになったね
  • 存在承認…相手の存在を認め、関心を持っているというメッセージになる。結果を出していなくても、存在しているだけで価値があるという承認。名前を入れた声掛け、あいさつ、傾聴など。
    例)〇〇さんおはよう!〇〇さん今日は寒いね!〇〇さん、体調どう?

コップの水

ちょっと脱線しますが、みなさんはこの写真を見たらどう感じますか?

コップに「半分しか水が入っていない」と見ることもできれば、「半分も水が入っている」と見ることもできますよね。しかしおそらくは、ほとんどの人が前者のように感じたのではないでしょうか?

そう、人間は欠けている部分についつい目がいってしまうのです。スマートフォンのガラスにヒビが入っていれば当然そこが気になる。割れていない部分に着目する余裕は、残念ながら人間にはありません。

しかし、これが人間だったらどうでしょう。皆さんの上司が皆さんの欠点ばかりを指摘してくる。頑張っている部分もあるじゃん。いいところも見てくれればいいのに。おっしゃるとおりです。
でも、それって、我が子や教え子にもできているでしょうか?

私たちの目は、欠けている部分に行きがちであるという事実を認識し、意識的にできている部分に着目する努力が欠かせないことをわかっていただけたでしょうか?

「できなかったことに注目する」のではなく、「できたこと(とき)に注目する」という発想の転換が必要です。

承認の3つのポイント

では、最後に「承認」を効果的に行うためのポイントを3つご紹介します。

  • 具体的に…具体的でないと、取ってつけたように感じられ逆効果です。
  • タイムリーに…そのときすぐに承認されるからこそ、行動と感情がリンクし強烈な刺激を生み出します。
  • 心を込めて…適当にほめるのではありません。そのとき一番相手が言ってほしいことを考えて伝えるのが承認(アクノレッジ)です。

おわりに

「承認」を上手に使いこなすためには、わずかな変化(成長)も見逃すまいとするアンテナと、美点凝視の姿勢が欠かせません。子どもたちのよい行動を引き出し、定着させられるかどうかは、私たち大人の関わりにかかっています。

次回は3大スキルの3つ目!「質問」についてご紹介しますので、お楽しみに!

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